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細胞・生体機能シミュレーションとは
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細胞・生体機能シミュレーションとは
  私たちの体の仕組みは非常に複雑です。このプロジェクトでは、細胞や臓器、また血液循環・エネルギー代謝といった生体機能をコンピュータ上に再現することで、人体の複雑なメカニズムの解明を試みています。

なぜコンピューターシミュレーションが必要なのか?
ヒトゲノム情報の解読も終了し、人体に関する莫大な情報を獲得することができました。ゲノム解析以外にも多くの実験医学生物学研究が行われ、人体の複雑なメカニズムの解明に向け、確実に成果をあげてきています。そして次の課題として、詳細に調べられた一つ一つの要素を統合して考えることが求められています。そこで我々はコンピュータ上に細胞・生体機能を集約したモデルを構築することで、人体のメカニズムを総合的に把握することを試みています。
シミュレーションにより実験データを統合し人体のメカニズムを解明する

細胞のシミュレーションとは?
「細胞」は、人体の最も基本的かつ最小の構成単位です。そこで人体の仕組みを把握するためのスタートとして、「細胞」のシミュレーションに取り組んでいます。 当プロジェクトで開発した心筋細胞(心臓を構成する細胞)のモデルは、環境の変化や外部刺激に応じて、生きた細胞と同じ反応をするように作られています。


細胞シミュレータのデモ

細胞モデルの実体は、Javaで書かれたコンピュータプログラムです。
イオンチャネルなど細胞を構成するタンパク質に関する実験結果を元に、当プロジェクトにて開発したソフトウェアsimBioを用いて、数百の方程式がプログラム化されています。

このプロジェクトでは、心筋細胞モデルの他、膵臓β細胞のモデル化にも取り組んでいます。

生体機能シミュレーションとは?
生体は、常に一定の状態を保つよう調節機能が働いています。この機能は、細胞の働きや細胞同士の相互作用、更には細胞が構成されてできた臓器の働きにより作り出されています。このプロジェクトでは、細胞モデル、臓器モデル、またそれぞれを融合したモデルを構築し、様々な生体機能のシミュレーションを行っています。 特に力を入れて取り組んでいるのが、心臓機能のシミュレーションです。心臓は規則正しく収縮・弛緩を繰り返し、血液を全身に送りだす働きがあり、この機能をコンピュータ上に再現することを目標としています。
心臓MRI画像から3次元心臓モデルを構築
左心室の拍動シミュレーション

プロジェクトで開発している心臓臓器モデルは心筋細胞モデルを集約することで構築されています。細胞モデルと融合することで、心筋細胞同士の協調した働きによる心臓全体の機能をシミュレーションすることが可能となります。
モデル構築には、DynaBioS®という新しいプラットフォームを用いています。

どんな応用が期待されるのか?
細胞や臓器のシミュレーションでは、人体の仕組みを解き明かすだけでなく、病気の治療や創薬支援といった臨床および産業界への応用も期待できます。このプロジェクトでは特に「心不全」を対象とし、新しい治療法の確立を目指しています。

【1:テーラーメイド医療支援】
薬物の作用は個人差が大きく、試行錯誤的な治療にならざるを得ないのが実情です。しかし、我々が構築しているシミュレーションモデルが完成すれば、遺伝子情報や血中薬物・イオン濃度といった検査データを入力することで、個人の特徴がコンピュータ上に再現でき、個人差を考慮した薬効・副作用予測が可能となります。つまりそれぞれの患者に最適な治療薬・治療方法を提供する医療(テーラーメイド医療)が実現できます。
個人情報を使ったシミュレーションによるテーラーメイド医療の実現

【2:創薬支援】
これまで、創薬は一部の研究者の知識と経験にもとづいて、大規模な探索・検証実験によって行われてきました。 このため、莫大な時間と費用がかかるのが問題でした。ターゲット分子探索や薬物効果予測、薬物動態予測などのシミュレーション技術を創薬プロセスに組み込むことで、 不必要な実験を減らすことができ、時間的にも経済的にもより効率的な創薬が可能になります。
バイオシミュレータを利用した創薬の効率化
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