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シミュレーションシステム
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シミュレーションシステム
■simBio
■細胞・生体シミュレーションプラットフォームDynaBioS®
■パラメータ最適化システム dm

simBio
simBioとは複雑な生命システムのモデル構築およびそのシミュレーションを行うためのプラットフォームです。
生命システムのシミュレーションモデルは、多くの場合微分方程式で記述されますが、扱う機能要素が増すにつれ、式の数が爆発的に増加し、整合性を持って計算することが困難でした。simBioは、その解決策として作成された、単純な原理の汎用微分方程式計算・解析ツールです。
当プロジェクトにて開発を進めている心筋細胞モデル、膵β細胞モデル構築は、すべてsimBio上で行われています。
simBioによる心筋細胞シミュレーションの実行画面
【特徴1:機能要素の組み合わせとして細胞モデルを表現する】
例えば、Kyoto Model規模の細胞モデルを構築するには、200 を超える連立常微分方程式を記述する必要があります。 simBioでは、イオンチャネルやカルシウムバッファーといった生物学的に意味のある機能要素毎にモデル化を行い、細胞モデルは機能要素の組み合わせとして表現します。
従って、情報学に無縁の生物学者でも構造の理解が容易で、簡単にモデル構築ができます。
Kyoto Modelを構成する機能要素の相関図
【特徴2:多様な生物学的モデルへの拡張性】
simBioでは、機能要素の組み合わせの管理をXMLファイルで行っています。扱いが簡単なXMLを採用することで、柔軟な機能要素の組み変えが可能となり、他細胞モデル構築への応用が容易となりました。

simBioの入力XMLファイルの例
公開用website
下記ウェブサイトにてソースコードを公開中です。
日本語版 http://jp.sim-bio.org/
英語版 http://www.sim-bio.org/

細胞・生体シミュレーションプラットフォーム DynaBioS DynaBioSロゴ
生体機能に関するシミュレータは、研究者ごとに研究目的が大きく異なるなど様々な理由から、多くの場合研究者ごとに独自のシミュレータが用いられています。しかし、生体をひとつのシステムとして理解するためには、個別に研究された様々な生体部品をつなぎ合わせ、全体としての振る舞いを見る必要があります。

生体システムのモデル化の一例(心臓収縮)

本プロジェクトで研究・開発を進めている細胞・生体シミュレーションプラットフォームDynaBioSは、 独立に構築された細胞や臓器のシミュレータを結合し、複雑なモデルのシミュレーションを行うための基盤システムです。 DynaBioSでは、生体機能は様々な現象とその相互作用により実現されるという考えに基づき、 個々の現象についてのシミュレーションを行うソフトウェア部品(コンポーネント)とコンポーネント間の情報交換により、 複雑な生体システムのモデル化を行います。
各コンポーネントの動作およびコンポーネント間のデータ交換はシステムの中核であるDynaBioSコアで集中的に制御する仕組みとしています。 システム全体としての動作(コンポーネントの操作手順やデータ交換の際の変換計算など)についてはシミュレーションシナリオとして各コンポーネントの実装とは独立に定義します。 DynaBioSでは使用するコンポーネントを交換したり、動作シナリオを修正・交換することで様々な仮想実験を行うことができます。

DynaBioSによる生体シミュレーションシステムの構成

本プロジェクトでは、DynaBioSを用いた生体機能シミュレーションとして、心臓収縮シミュレーション、心筋組織の興奮伝播シミュレーション、および上皮細胞生理を考慮した薬物吸収シミュレーションなどを開発しています。 DynaBioSのソフトウェアパッケージやコンポーネントパッケージなどの研究・開発成果については、DynaBioSホームページ(http://www.dynabios.org/)で公開しています。

パラメータ最適化システム dm
生体シミュレーションのための計算モデルの構築では、生体実験により得られた実測データを可能な限り再現しうるパラメータセットをいかに見つけ出すかが重要です。また、逆に薬物投与実験の実測データを再現するようなパラメータセットを見つけ出すことで、薬剤が及ぼす作用を詳細に推定することも可能となります。このように、ある計算モデルについて、与えられた実測データを再現しうる最適なパラメータを推定する技術(パラメータ最適化)は生体機能を理解する上で必要不可欠といえます。

本プロジェクトでは、細胞シミュレータsimBioにおけるパラメータ最適化を支援するシステムとして、simBioを用いたパラメータ最適化システム"dm"を構築しています。

パラメータ最適化の基本的な処理手順は、
1. パラメータセットを設定
2. シミュレーションを実行
3. シミュレーション結果と実測データの誤差を評価
ですが、実際には最適化の対象とする計算モデルによって、パラメータセットの操作がシミュレーション結果に与える影響が異なるため、完全に自動では有効なパラメータがなかなか得られません。

そこで、dmは、パラメータセットの操作がシミュレーション結果と実測データの誤差に与える影響を確認しつつ、適宜、各パラメータの探索範囲を調整できるようなツールを提供することを目的としています。dmが行う処理は以下の通りです。
1. 各パラメータの探索範囲を設定
2. 全パラメータの探索範囲から定義される空間(パラメータ空間)を離散化し
  パラメータセットを生成
3. 各パラメータセットについて実測データとの誤差を計算
4. パラメータセットと誤差の集合を可視化

現在、dmでは、将来的に多数の研究者に対するサービスとして展開することを想定し、パラメータセットの設定と誤差の計算結果を可視化する機能を持つユーザインタフェース部分と、パラメータセットごとにシミュレーションを実行して実測データとの誤差を計算するシミュレーションサーバ部分をそれぞれWebサービスとして個別にパッケージ化されています。
dmの仕組み
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